ここ最近の労働市場において、CxOのポジションが増えています。
最高経営責任者(CEO)、最高財務責任者(CFO)、最高執行責任者(COO)、最高マーケティング責任者(CMO)、最高技術責任者(CTO)のことですが、どのような求人実態があるのでしょうか。

近年、COOやCFO、CMO、CTOなど、社長の右腕となる様々な業務執行役が誕生。
しかし、スタートアップでは、会社の成長を加速させていく業務執行役の人材不足が多く発生していて、日本国内のスタートアップでのCxOポジションの求人は年間で約5,000件に上るとも言われているのだとか。
そこで、企業や組織の「課題解決と価値創造のパートナー」として、正社員採用、フリーコンサル、スポットコンサルなどを複合的にサービス展開するアクシスコンサルティングが、急増するスタートアップのCxOポジションの採用実態と最新動向が分かるラウンドテーブルを開催。
2019年に‟若手起業家が選ぶすごい投資家”第1位にも選ばれた、株式会社StartPass 代表取締役ファウンダーCEOの小原聖誉さんと、EDiX Professional Group代表の江戸川泰路さんを招いてのトークセッションも行われ、スタートアップが求めるCxO人材の要件や不足する現状などについて語りました。
「ビジネスを作るハイエンド人材をあまねく活用できる社会」

アクシスコンサルティング株式会社 代表取締役会長COO 伊藤文隆さん
アクシスコンサルティングは、コンサルティング会社向けの人材紹介事業からビジネスをスタートし、現役コンサルタントの4人に1人が登録する、業界の中では最も大きなデータベースを持っているのだそう。
2年前にコンサルタントの副業支援をするスポットコンサルのサービスも提供を開始。
2024年9月には、スタートアップの約10パーセントが契約する株式会社スタートパスと共同で、コンサルタントがスタートアップのCxOポジションを副業から始められるマッチングサービス「CxO-Pass」を開始しています。
伊藤さんは、「本日は、CxOというあまり馴染みのないワードなんですけども、これはどういう職種なのかということと、なぜこれがシェアリングしていくことが必要なのかついてお話をさせていただければと思います」と挨拶。
大きくコンサルタントのデータベースを軸にいろんな事業を展開していく中で、アクシスコンサルティングが目指す世界観を話しました。

伊藤さんは「これから日本は労働人口がどんどん減って、労働者の平均年齢が上がり、優秀なハイエンド人材がこれからどんどん不足していく時代に突入していく」と説明。
そんな中で、「ビジネスを作る側のハイエンド人材をあまねく活用できる社会を推進していきたい」と話しました。
そもそもCxOとは、経営課題に取り組む特定分野の最高責任者のことで、各部門のマネージメントを経営側からの視点で業務を遂行。
いわゆるビジネスを推進していく各々のスペシャリティのこと。そのため、ファイナンス、戦略、人事など様々な分野のCxOのポジションが生まれてきています。
伊藤さんは「スタートアップはCxOのポジションを作るケースが非常に多い傾向にあるが、圧倒的に需給のバランスがとれていない」と課題を提起しました。

自身もスタートパスで副業、業務委託から入って正社員になったという早川さんが採用実態や最新動向などについて説明。
早川さんによると、「(スタートアップの成長フェーズが)ラウンドを重ねるにつれてCxOという肩書きを持った方々が増え、潜在的なニーズとしては、シード期のところからも本当は優秀な方がいれば欲しい」というのが実情なんだとか。
また、より事業をスケールアップさせていくために、マーケットの観点からCMOといったポジションのニーズが高まっているのだそう。

早川さんは、「ここ4、5年で見た時には、スタートアップ企業はかなり増えてきていて、今後数年においても、スタートアップの社数はかなり増えていくんじゃないと思っています。
合わせてこういったCxOのニーズについても高まっていくものと考えており、どれくらいの求人数があるのかといったところを整理すると、実際の私たちの推計値には年間約5,850件という、スタートアップにおけるCxOポジションの求人数が出ているというふうに考えております」と最新の動向について説明。

アクシスコンサルティングは、昨年、スタートアップの約10パーセントが契約する株式会社スタートパスと共同で、コンサルタントがスタートアップのCxOポジションを副業から始められるマッチングサービス「CxO-Pass」を開始している。
伊藤さんは「我々の圧倒的な強みというのは、やはり、スタートアップ企業の10パーセントのデータベースを持っているということと、現役コンサルタントの4分の1のデータベースを持ってるということで、非常に質の高い双方のデータベースを活用してマッチングしているということ」と力強く語りました。

ユーザーからは『スタートアップに真剣に関わりたいと思ってる方と出会えたことが非常に大きい』『ビジネス経験が豊富で、他のメンバーにはなかなか相談できないようなことも気軽に相談することができた』など好評で、最初からCxOとして参加するのではなく、副業から始めることで、相性を見極めたり、実際のパフォーマンスを見てから、ゆくゆくはCxOとして参加してもらうことができるというのが非常に評価されているそうです。
スタートアップに必要なハイエンド人材をシェアリングで

2019年に‟若手起業家が選ぶすごい投資家”第1位にも選ばれた、株式会社StartPass 代表取締役ファウンダーCEOの小原聖誉さんと、大学ベンチャーやスタートアップの支援やCFO人材の育成にも注力しているEDiX Professional Group代表の江戸川泰路さんを招いてのトークセッションも行われました。
<スタートアップが求めるCxOの要件について>

江戸川さんは、「スタートアップ特有としては3つあると思っていて、1つがまずビジョンへの共感力。
そのスタートアップが目指しているもの、解決したいと思ってる課題をどう解決していくのか。
そのビジョンに、惚れるっていうんですか、そこは非常に重要な要素になってくる。
もう1つは、アントレプレナーシップ。イノベーションを通じて社会を良くしていきたいっていうエネルギーみたいなものだと思うんですけど、やっぱりそこも求められると。
そして、1番重要なのが、やっぱり高い専門性とか業界知見とか人脈とか、経験してきたもの、持っているスキルみたいなものがやっぱりスタートアップにおいては側瀬力として求められる」と話しました。

小原さんは「起業する時はとにかく前向きにで、自分の業界知見を生かしたアイデアがあって、それを世の中に届けていきたいと。けれども経営経験がない。起業した後、自分と同じ温度感、自分と同じ目線で働いてくださる方っていうのは全然いないんだなってことに気づくということが非常に多い。どうやってそういう方々採用していったらいいのかということにぶつかる」と話しました。
小原さんも創業後に同様の問題にぶつかったそうで、上場を果たした他社の事例を参考に、業務委託で仕事をしてから正社員として入社するという形もありだと思うようになったと振り返りました。
そうした中で、「創業者と同じぐらい熱い気持ちでハードワークできる人というのが、特に創業3年以内においてはとても大切」と語りました。
<CxO副業とかシェアリングの活用について>

江戸川さんは、「経験豊富な高い専門性を持っている方が、パートタイムでシェアリングだったり、副業で関わってくださったら非常に助かる。それで会社が伸びて資金調達ができたり、会社が伸びてくれば、フルタイムに切り替えるっていう風になってくる。非常に重要な選択肢」と評価すると、小原さんも「スタートアップの実態として年収を高くお出ししたいとはいえ、ない袖は振れないっていうのもまた現実なので、副業は物理的に有効。」と話しました。
伊藤さんは「いいサービスとかいい技術、ノウハウがあっても、結局人がいないと企業は伸びていきません。これはスタートアップもそうなんですけども、今マーケット全体が多分そういう風になっているんじゃないかなと思うんですよね」と話していました。
少子高齢化が進むことで、有効求人倍率があがり、ハイエンド人材が不足していく中で、企業も人も他にはない付加価値や、スキルが必要になってくるようです。
小原さんが「スタートアップはパイを食い合うのではなくて、新しい技術や新しいモデルによって付加価値を作っていく企業で、素晴らしい企業形態」と話していました。少子高齢化というネガティブな時代の中でも、付加価値をもった企業を育むために、高い専門性をもった人材をシェアする形がもっと求められ、広がっていくのではないでしょうか。
経営や事業を前進させるためのハイエンド人材を必要としている経営者や、自身の高いスキルを活かしたいと考えている方はチェックしてみてはいかがでしょうか?
「アクシスコンサルティング」 https://axc-g.co.jp/
「CxO-Pass」 https://axc.ne.jp/cxopass