ChatGPTを利用したサービスの充実により、AIを活用したビジネスのあり方を大きく変えつつあります。
企業・組織は競争力の向上や課題解決のために、AIを活用した革新的なソリューションを次々と導入しています。
本記事では、AIのビジネス活用における最新の事例を6つご紹介します。
【自治体での活用】取手市、生成AIを用いた議会答弁書作成支援システムを導入
AI音声認識や生成AIといったAI技術の活用による業務効率化や窓口対応の向上に取り組んでいる取手市。生成AIを用いた新たな支援ツールとして、議会答弁書案作成のサポートに特化した「AI議会答弁書作成支援システム」が2024年8月20日から試験導入されます。
これにより、議会対応業務の効率化やより高度な情報収集、より質の高い議論展開に向けた調査研究が期待されています。
【システムの主な特徴】
・想定問答の生成
・取手市議会議事録検索システムとの連動
・各種計画や資料の情報を反映した答弁書素案の生成
・他自治体の事例検索と要約情報を反映した答弁書素案の生成
・生成された答弁書素案のニュアンス変更機能「推進」「検討」
【PRへの活用】石川県のPRイベントに 「AI石川県知事 デジヒロシ」が登場
QUICK社の提供する、生成AIが膨大な情報から「伝わるコンテンツ」を自動生成サービス「QUICK Smart Brain」。
同サービスを利用した「AI石川県知事 デジヒロシ(等身大)」がカプセルに搭載され「のともっとMARCHE TOKYO」に登場し、能登半島地震で被災した能登地域の農林漁業者を支援するため、能登を中心とする農林水産物や特産品などを紹介しました。
QUICK社では今後もオフィス空間やイベントなどのリアルな現場にも、様々な情報をCAPSULEに入れて届けていきたいとのこと。
【ERP導入への活用】 生成AIを駆使したERP導入支援ツールでコンサルサービスを開始
エヌティ・ソリューションズ社では、従来の業務からERP市場の人材不足に課題感を感じ、その解決策としてERP導入プロジェクトにおける生成AIの活用に着眼。
生成AIを駆使した新たなソリューション「AutoConv-Navi」を開発しました。
その「AutoConv-Navi」を活用し、ERP導入を内製で実現しようとする企業に向けたコンサルティングサービスを2024年9月から開始。
将来的には「AutoConv-Navi」をユーザー企業自身で活用してもらうよう、SaaS化しての提供を目指していくとのことです。
【主なコンサルティング内容】
◎ERP導入ナビゲーション:ERP導入の各ステップをわかりやすく案内し、 計画から実行までのプロセスを支援
◎ご要望の壁打ち :ユーザー企業様がERPで要望を実現するためのアドバイスを提供
◎機能検証 :ユーザー企業様のご要望に基づき、必要な文書 (要件定義書、設計書)及びプログラムソースを作成し、要望が実現可能かを検証
◎品質チェック :最新のAI技術を用いて、人の目では発見しにくいミス、矛盾点などを検知
◎対応ERP製品 :Microsoft Dynamics 365 Finance, Microsoft Dynamics 365 Supply Chain Management ※2024年8月時点
【Web開発への活用】AIを活用した高速・高品質・低単価の開発がリリース
ウェブ、ブロックチェーン関連システムの開発を行うOpenReachTech社では、AIを活用したWeb開発のフローを構築し、コーディングコストを7割削減することに成功。
これにより、高品質なシステムを高速・低単価で開発・納品することが可能になりました。
【AIを活用したシステム開発事例】
・様々な商品形態に対応したASPシステム:200万円、2か月(従来比1/3以下の価格・工数)
・LINEのLIFF機能を活用したEコマースシステム:80万円、1か月(従来比1/2以下の価格・工数)
【物流・運送業界での活用】AI型コンシェルジュを導入した 車両検索サービスの開始
トラック商用車の売買プラットフォーム“アイナビトラック”を運営するステアリンクと生成AI開発エンジン“Nagisa AI Engine”を提供するParameが連携し、 業界初のAI型コンシェルジュを導入した 車両検索サービスの開始を決定。サービス開始は2024年9月中旬の予定です。
AI型コンシェルジュはお客様と会話をしながら希望条件を把握し、その条件に最適な車両を提案。これにより、専門知識がなくても簡単にトラック検索が可能になるだけでなく、多言語対応による言語障壁の払拭も可能となります。
【新しい産業創造への活用】次世代エンジンと次世代AIの具現化に伴う事業計画書を公表
世界にない技術を具現化する技術創造企業 日本ソフトウェアアプローチ社は、次世代エンジンと次世代AIの具現化に伴い、事業計画書を公表。投資を募っています。
同社は、日本経済の停滞と国力低下を解消するため、空飛ぶ車やドローン、次世代航空機、汎用人工知能(AGI)などの新しい産業を創造し、GDP2,500兆円以上、GNI2,000万円以上を目指すとのことです。
▼事業の基礎を築くための増資と事業目的
1. 資本金を10億円に増資して、50億円を資金調達
2. システム要員増強に30億円を投資して、システム開発要員を1,000人~2,000人確保
3. 鋳造メーカーとの資本提携に10億円を投資して、最適な鋳造方法と鋳造技術を確立
4. 精密加工メーカーとの資本提携に10億円を投資して、最適な精密加工方法と技術を確立
▼世界を圧倒する次世代AIについて
1. 次世代AIは、人間脳細胞によるネットワーク構造に近い構造を実現
2. 次世代AIは、人工頭脳搭載ロボットと完全自動運転モビリティーに最適な技術
3. 次世代AIにより、人類の夢である汎用人工知能(AGI)を構築
4. 汎用人工知能(AGI)は、人工頭脳搭載ロボット事業(年商300兆円、利益100兆円)、高度モビリティーセンター事業(年商300兆円、利益100兆円)、高度物流センター事業(年商300兆円、利益100兆円)、高度医療センター事業(年商300兆円、利益100兆円)、高度教育センター事業(年商100兆円、利益20兆円)に展開
ビジネスeye
AIのサービスが充実してきていますが、次世代AIは、マルチモーダルと言われ、情報の認識から出力まで人間を凌駕すると言われています。
AIのマルチモーダルとは、異なる種類のデータ(テキスト、画像、音声、動画など)を同時に処理し、それらの情報を統合して理解する技術のことを指します。これにより、より豊かでコンテクストに富んだ情報処理が可能になります。
主な特徴
- データの統合: テキストと画像を組み合わせた情報解析ができ、例えば画像の内容を説明したり、テキストに基づいて画像を生成したりします。
- 相互作用: 異なるモード間での相互作用が可能で、ユーザーが音声で指示を出すと、画像やテキストを生成することができます。
- 応用分野: マルチモーダルAIは、医療診断、教育、エンターテインメント、自動運転車など、さまざまな分野での応用が期待されています。
マルチモーダルAIは、より人間に近い理解力を持つAIの実現に向けた重要なステップとされています。