AIを使った人事採用業務の主な事例には、面接評価の自動化、マッチングの最適化、チャットボット導入、配属提案などがあり、作業時間の大幅削減や選考精度の向上が報告されています。

人事業務でも人手不足解消と公平な人事評価のためには、AIを使った仕事が主流になりそうです。

AIによる面接評価・選考自動化

ソフトバンクは動画面接でAI評価システムを導入し、面接担当者の工数を約70%削減に成功しています。

AIは過去の面接データや評価基準を学習し、一次評価を自動化しつつ、人間による最終確認体制を組み合わせ公正かつ効率的な選考を実現しています。

AIによる採用候補と求人とのマッチング・配属最適化

リクルートスタッフィングのAI「Insight Matching」は、登録スタッフと求人のマッチング精度を40%向上し、派遣決定までの平均時間を2日短縮に成功しています。

サイバーエージェントは新卒配属でAIマッチングシステムを使い、希望や適性データから最適な部署配属を実現しています。

AIチャットボット・レジュメ自動処理

セプテーニは新卒者向けにAIチャットボットやVRアプリを活用し、個人最適化された会社情報の提示やVRでの業務体験によりキャリア形成を支援しています。

また、レジュメ確認や面接調整などの定型業務もAIが自動化し、採用担当者の業務負担を軽減しています。

AIを使った採用実務の効率化と課題

AI活用で応募書類選考の自動化、適性検査による早期離職防止、評価基準の統一とパフォーマンス予測など、従来属人的だった判断や経験に依存した工程をデータドリブンで標準化する例が増えています。

成果・効果

  • 動画面接評価時間70~75%削減(ソフトバンク)
  • マッチング提案適合率40%向上、対応可能案件数2倍(リクルートスタッフィング)
  • 配属検討作業時間25~92%減(自治体向けNECソリューション)alt
  • 選考作業を4分の1に短縮(横浜銀行・ES選考AI)

代表的ツール・技術

  • 動画面接評価AI(画像・音声解析+NLP)
  • マッチングAI(履歴・適性・価値観の多変量解析)
  • チャットボット(自然言語処理・FAQ自動応答)
  • 自動レジュメ解析(テキスト分類・特徴抽出)

このように日本国内外の企業では、AIによる自動化・最適化を進めることで採用業務の効率化と精度向上、応募者体験改善、採用担当者負担軽減を実現しています。

AIによる採用面接評価の改善例

AI面接評価の改善例としては、評価基準の統一による客観性向上、選考時間の大幅な短縮、応募者の本質的な能力・特性の定量化などが挙げられます。

AIによる面接評価の客観性と一貫性の向上

AI面接では、全候補者に定型質問を行い、回答内容・表情・声のトーンなど非言語情報も含めて解析します。
従来は面接官ごとに評価基準や印象の偏りが問題でしたが、AI導入によりバイアスやばらつきがなくなり、公平な比較が可能となりました。

AIによる面接プロセスの効率化・時間短縮

ソフトバンクは動画面接+AI解析システムの導入で「選考業務の約70%削減」と公表しており、面接官は最終判断など重要業務に集中できるようになりました。

ユニリーバではAI面接の導入により、18ヶ月間で5万時間以上の選考工数削減、応募者の待機時間短縮、年間1億5千万円超のコスト減を実現しています。

能力や性格の定量評価とレポート化

AI面接は、応募者の論理性やコミュニケーション力といった本質的要素を数値化し、自動でレポート生成します。
面接終了直後に詳細な評価レポートを受け取れるため、従来より迅速でデータに基づく採用判断が可能です。

応募体験の改善・辞退防止

AI面接は24時間365日オンライン対応が可能で、応募者の利便性・満足度も向上します。企業側は離脱や辞退対策に効果を上げています。

辞退防止のポイント
  • 動画・音声認識とNLP解析による多角的評価
  • データドリブンなフィードバック・教育プラン提案
  • 自己分析支援や入社後ミスマッチ防止で活用事例あり

このように、AI面接評価は採用業務の効率化・精度向上だけでなく、客観性や透明性を高め、公平な採用プロセス構築を実現しています。

AI面接導入で採用効率の事例とは

AI面接導入で採用効率が劇的に向上した企業事例として、ソフトバンク・吉野家・一蘭・デジタルホールディングス・キリンホールディングス・横浜銀行などが挙げられます。

主要事例と成果

  • ソフトバンク
    エントリーシート選考と面接評価にAIを導入し、作業時間を「約75%削減」(年間680時間→170時間)。業務効率化だけでなく、論理性や表現力を数値化することで選考の標準化を実現し、人事担当者はより重要な業務に集中できるようになった
  • 吉野家
    アルバイト採用にAI面接導入。応募から初出勤までの期間短縮に成功し、店長の業務負担が軽減。応募者の資質を評価レポート化し、迅速な選考・適切な人材配置につなげている
  • 一蘭(ラーメンチェーン)
    対話型AI面接サービス「SHaiN」を導入。24時間AI面接により柔軟な応募対応が可能となり、面接担当者の負担を大幅軽減。応募者も都合よい時間に面接が受けられることで選考離脱が減少
  • デジタルホールディングス
    SHaiN導入で面接官の主観バイアス排除、一貫性のある評価を実現。面接時間短縮や応募数増加も報告
  • キリンホールディングス
    AI面接官を一次面接に導入。面接時間を大幅短縮し、人事は最重要業務に専念。AIと人事評価の一致度も高く、バイアスのない公平採用が進行
  • 横浜銀行
    ES(エントリーシート)選考と面接でAI「KIBIT」導入、選考時間約70%削減。評価基準の統一による公平性向上にも寄与

共通する改善できたポイント

  • 面接・書類選考の「工数70~88%削減」
  • 店舗責任者や面接官負担の大幅軽減
  • 書類・面接評価の標準化とバイアス排除
  • 24時間対応による応募者体験と選考通過率の向
  • 合格判定だけでなく「性格・強み」の詳細レポートで配属ミスマッチ防止

これらの事例では、単なる効率化だけでなく、データに基づく客観的選考・応募機会拡大という採用の質向上も実現されています。

AI導入で人事評価の透明性はどう向上するか

AI導入によって人事評価の透明性は大きく向上しています。評価基準やプロセスの「見える化」、客観データに基づく一貫性ある評価、評価コメントや根拠の自動提示などがその主な理由です。

具体的な透明性向上ポイント

  • 評価基準の「見える化」と説明性の向上
    AIはシステム上のデータに基づいて評価のたたき台やコメントを自動生成するため、「なぜこの評価なのか」という根拠を明確に示すことができます。
    たとえば、評価レポートには営業実績やKPI、360度評価など客観的な情報が含まれ、評価結果と根拠を社員が確認できます。
  • 主観やバイアスの排除、評価の統一化
    人間による評価は、無意識バイアスや部門・評価者ごとのばらつきが生じやすいですが、AIは統一されたアルゴリズムで基準値を適用し、公正で透明な評価を実現します。
    各評価者の傾向データも分析・補正するため、個人の癖による評価の偏りを抑える効果があります。
  • フィードバックとエビデンスの蓄積
    AI面接サービス「SHaiN」などの事例では面接評価のばらつきがなくなり、全プロセスにエビデンスが残ることで的確なフィードバック・説明が可能になったと報告されています。
    評価指標や行動ログを社員自身が確認できるため、将来の行動指針にもなります.
  • 評価プロセスの運営と課題
    実際にIBMやJ:COMではAI活用で公正性・透明性が向上したとされますが、逆に「AI評価内容がブラックボックス化」しないよう、アルゴリズムや根拠の開示・見直しも重要とされています。

代表的な事例

  • IBMはAI「Watson」で定量データやフィードバックに基づき個別評価・成長提案を行い、妥当な給与額決定もサポート
  • JCOMはAIで全通話データを要約し、定量評価を導入
  • 松屋フーズではAI面接で面接官ごとのブレを排除、社員納得感・効率化も実現

このようにAI導入により、評価が「データで証明できる透明なプロセス」となり、不公平感やブラックボックスを減らし、納得度や公平性を高める制度構築が可能になっています。

AIを取り入れた人事評価の具体的な成功例

AIを取り入れた人事評価の具体的な成功例として、以下の企業事例が挙げられます。

ソフトバンク:AI判定エントリーシート

  • 2017年から新卒採用のエントリーシート評価にAIを導入し、年間680時間の作業を約170時間に削減(約75%削減)
  • 採用担当者の負担軽減と評価の客観性向上を両立
  • AI誤判定防止のため、不合格は最終的に人事担当者がチェック

テルモ:グループ内人財マッチング

  • 7,000名のグループ従業員のスキルや経験をAIが分析し、最適なポジションやプロジェクトを推薦
  • 適材適所の人材配置でキャリア形成と競争力強化を実現

松屋フーズ:店長昇格試験の評価統一

  • 対話型AI面接サービス「SHaiN」を導入し、店長昇格試験の評価基準のばらつきを解消
  • 評価の統一化や業務効率化、経費削減を実現し、納得感の高い評価プロセスを実装

NECソリューションイノベータ:自治体人事異動の効率化

  • 大規模自治体(例:福島市)で職員の人事異動案策定にAIを導入。
  • 条件多様な大人数人材の異動候補抽出や最適配属を自動化し、候補者選出時間を25%削減、異動案作成時間を17%削減、条件確認時間92%削減

IBM:約37万人の従業員の評価支援

  • AI「Watson」が従業員の成果やスキルを分析し、評価の意思決定を支援。
  • 膨大な評価分析を瞬時に行い、公平かつスピーディな評価を可能とするが、最終決定は人事担当者が実施

明治安田生命:定量化によるキャリア育成支援

  • 3,000名を対象に行動特性の統計的特定を行い、適性を数値化。
  • 自分に向いているポジションを明確化し、一人ひとりにあったキャリア育成が可能になった

これらの成功例は、AIが作業時間の大幅削減、評価の客観性・一貫性の向上、適切な人材配置やキャリア支援、評価結果の納得感向上に大きく貢献していることを示しています。

ビジネスeye

これまでAIを使った人事採用業務について見てきましたが、AIを使ったスカウトサービスについても見てみたいと思います。

「RecUp」は、株式会社Delightが提供するAI活用型スカウトサービスで、スカウトメール作成・送信・ターゲット選定までを自動化し、採用活動の効率と成果を両立できる点が大きな特徴です。

サービスの主な仕組みと特徴

  • AIが求職者プロフィールを解析し、パーソナライズされたスカウトメール文面を自動生成・配信します
  • タイトルや本文も候補者の自己PR・職務経歴書などの内容に合わせて最適化され、開封率・返信率の向上が見込めます
  • スカウト業務を完全自動化することで、採用担当者は説明会・面談・内定後のフォローといった「人にしかできない業務」に注力できるようになります
  • 業種や職種ごとの表現も自動調整、企業の採用戦略に合わせた柔軟な運用が可能です

実際の導入効果・事例

  • 東栄ホームサービスでは、26卒・27卒の多年度同時採用で「AIスカウトの自動送信」を活用し、母集団形成の課題を解決
  • 手動でメール文面を作成する工数を大幅に削減し、「承認者数90名超」を実現、説明会や懇親会に割く“人と向き合う時間”を確保できるようになった
  • 実際口コミでも、「スカウト返信率2倍」「応募数3倍」「未経験求人でも返信率向上」「面談数・内定数が増加」といった成果が多数報告されています
他社との違いと強み
  • 求人広告代理店として蓄積した多様な媒体データや業界ノウハウを反映し、より精度の高いターゲティングとメール最適化を実現
  • RPOや外注より安価で、多くの企業が短期間で導入できる料金体系とサポート体制があります
  • セキュリティ基準も厳格に運用され、個人情報保護も担保されています

RecUpは「人がやるべき仕事=人材との対面・意思疎通」を重視しつつ、手間のかかるスカウト業務をAIで自動化することで、採用効率・成果・満足度を高める次世代型サービスです。

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