人材派遣業が2015年以来の危機に見舞われています。コロナ禍からの経済の回復で、人材不足が深刻化しているため、人材派遣業も活況かと思いきや、現実は全くそうではありません。

人材不足が深刻なのです。

人材確保のため、人件費が高騰し、そこに円安などの影響による物価上昇のコスト増のダブルパンチで、また、上手く価格に転嫁できておらず、収益を圧迫しています。

人材派遣業界の倒産件数は、2015年以来の人材派遣業の倒産数となっています。

ますます倒産件数が伸びていきそうな業界と言えそうです。

そんな中、人材派遣業界4位のパソナが苦境に立たされています。

コロナ禍では、PCR検査などの業務を国から受託し、特需があったものの、それが過ぎ去った後の反動による売上の落ち込みと人件費等のコスト増で、2024年5月期第3四半期までは赤字となっています。

通期では、子会社株式の売却等により黒字化の見込みですが、人材派遣分野では、高報酬のエンジニアに重点を置いたり、新規案件の獲得と受注単価の改善に努めていく必要がありそうです。

また、BPO業務に重点をおいて強化するなども必要になっていきそうです。

パソナグループの業績低下の背景

(イメージ)
  • 医療関連業務の需要減少:
    • パンデミック対応に関連する医療関連の契約業務が減少しました。
  • 全体的な需要の減少:
    • 飲食業、宿泊業、小売業などの需要が大幅に減少しました。
  • BPOサービスの需要変化:
    • BPOサービスの需要は拡大しましたが、新型コロナ対策関連の需要が減少しました。
  • 利益の減少:
    • 2024年5月期の連結経常利益は前年比34.9%減の100億円と予想されています。(発表日現在の情報であり、変動の可能性あり。)

パソナグループの今後の展望

一方で、パソナグループは以下のような取り組みを行っており、今後の業績回復が期待されています。

  • BPOサービスの強化:
    • BPOサービスの需要拡大に対応するため、サービスの強化に取り組んでいます。
  • 新規事業の開拓:
    • 新型コロナ対応以外の新規事業の開拓に努めています。
  • M&Aによる事業拡大:
    • 他社との M&A を通じて事業領域の拡大を図っています。

株式会社ベネフィット・ワン株式の売却によるグループ内再編と事業セグメントの整理を進めていますね。

儲かっている子会社を売却して、得られた資金によって、グループ内事業の再編に注力するようですので、再生されたパソナグループの事業展開も楽しみではあります。

パソナグループの強み

パソナグループの主な強みは以下の通りです:

1. 幅広いサービス提供能力

  • 人材派遣、人材紹介、アウトソーシングなど、人材サービスの幅広いラインナップを持っています。
  • 企業の経営や業務の効率化を実現するワンストップソリューションを提案できます。

2. 安定した収益基盤

  • 公共分野のアウトソーシング事業が安定収益源となっています。
  • 景気変動の影響を受けにくい収益構造を持っています。

3. 国内外の広範なネットワーク

  • 国内外に広範なネットワークを持ち、グローバル展開を推進しています。
  • 政治・ビジネスセクターとの強いつながりを持っています。

4. 専門性の高いサービス

  • 福祉関連事業など、特定分野での高い専門性を有しています。
  • 官公庁のプロジェクトや行政サービス窓口の受託実績があります。

以上がパソナグループの主な強みです。幅広いサービス提供能力、安定した収益基盤、グローバルネットワーク、高い専門性など、様々な強みを持っていることがわかります。

国内外において、人材派遣、BPO業務などに強みを持ち、ニーズの変化に敏感に対応できるくらいの企業体力もあることから、更なる発展が見込めますね。

また、パソナグループは、本社機能を淡路島に移転を進めており、地域振興と社員の福利厚生充実などにも力を入れています。

パソナグループのように、地方活性化のために移転していく企業が増えていくと経済の活性化にもつながりますね。

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