起業家が起業した理由や壮絶な生い立ちのエピソードは幾多あれども、株式会社キンダーガーデンの浦濱社長ほど過去の生い立ちからの負い目を撥ね退けて飛躍している起業家はいないのではないか。

歯科業界最大級のコミュニティ「歯科塾」とポータルサイト「WE SMILE」

株式会社キンダーガーデン(本社:東京都新宿区、代表取締役:浦濱隼人)は、歯科業界に特化したマーケティング支援事業を展開しています。

2010年の創業以来、営業マンを採用せず、マーケティング活動と既存顧客からの紹介のみで業績を拡大してきました。

1万人超の医療従事者が登録する歯科業界最大級のコミュニティ「歯科塾」を運営し、2017年には、若手歯科医師向けに世界トップレベルの臨床教育プログラムを提供する「30Under30」を設立するなど、業界の発展に貢献してきました。

代表の浦濱は、「前歯だけ!通院不要!」を謳った低価格マウスピース矯正の流行による健康被害の増加に直面。そこで、歯列矯正希望患者と信頼できる矯正医をつなぐポータルサイト「WE SMILE」を立ち上げ、安全で質の高い矯正治療の普及を目指しています。その経営理念の根底には、浦濱の幼少期における壮絶な体験と、未来への揺るぎない信念があります。

株式会社キンダーガーデン 代表取締役社長 浦濱 隼人のプロフィール

~Profile~

1982年生まれ、福岡県出身。立命館大学卒業後、日本最大級の独立系コンサルティングファームである山田コンサルティンググループにてM&Aを活用した企業再生業務に従事。

その後、歯科医院専門のコンサル会社に転職し、数々の業績向上が評価され、最年少取締役に就任。

2010年に株式会社キンダーガーデンを創業し、代表取締役社長に就任。医療従事者向けコミュニティ「歯科塾」を立ち上げ、登録者1万人を超える歯科業界最大のコミュニティを運営。

2017年に若手歯科医師向け臨床コース「30Under30」をプロデュースし、35歳以下の若手歯科医師のうち7人に1人といわれる3500人を擁するスタディグループへと成長している。

~History~

【 幼少期の壮絶な体験から芽生えた反骨精神と自立心 】

浦濱の人生は、幼少期から波乱に満ちていました。対人関係に問題を抱えていた彼の父親は職場で疎まれることが多く、転勤や転職を繰り返す日々。

そのたびに浦 濱自身も転居を強いられ、北は北海道から南は九州、さらにはオーストラリアまで、 小学校と中学校を合わせて8回の転校を経験しました。

目まぐるしく変化する環境に加え、浦濱自身は、連日深夜から朝方まで泥酔した父親に壮絶な虐待を受けていました。医者への憧れを抱いていた父親の口癖は、「世のなかで医者ほど素晴らしい仕事はない」というものでした。

父親への反抗心から浦濱は「医療関係者にだけはなりたくない」と考えていたといいます。3人兄弟の次男として生まれた浦濱は、父親からの虐待によりチック障害と睡眠時行動障害を発症。

学校では次第に問題行動が増え、教師たちからも問題児扱いされるように。

一緒に虐待を受けていた兄弟たちも精神的に追い詰められ、家庭は崩壊。

学校にも家庭にも居場所を見つけられず、「1日も早く自立してこの地獄のような場所から抜け出したい」という希望だけを心の支えとして幼少期を過ごしました。

身体中がアザだらけの想像を絶する日々は、高校を卒業して実家を離れるまで続きました。今でも身体に残る傷跡を見るたびに当時のことが思い出され胸が締め付けられるといいます。

【大学時代の出会いと幼稚園設立の夢】

人生の転機は、京都にある立命館大学での渡辺紀弘(現・株式会社キンダーガーデン ウェブ事業部責任者)との出会いでした。

同じボクシング部に所属していたふたりの関係が、のちの起業へとつながっていきます。

不遇な幼少期を過ごした浦濱は「教育」という分野に強い関心を抱いていました。

「山中に捨てられ生死の境をさまよった自分にしかできないことがあるはず。未来をつくっていく子どもたちが安心して過ごせる場所を作りたい」。

そう考え、渡辺に幼稚園設立の構想をつたえ二人は意気投合し、連日のように幼稚園設立の夢を語り明かしました。

京都中の中小企業の社長にアポなしで面会に行き、どうすれば自分たちの夢が叶えられるか手当たり次第に聞いてまわりました。

多くの社長と接点を持つなかで、当時のふたりには「教育」という責任ある分野で挑戦するには能力、経験ともに不足していることを痛感。

その後、渡辺は「人の役に立つ人生を歩みたい。その為に社会で通用するスキルを身につけたい」と考え、大学を中退し東京に出る道を選びました。

いつか縁があって再会することができたなら、その時は一緒に夢を叶えようと約束して別々の道を歩むことになりました。

まさか10年後、2人が再会することになるとは、そのときは想像もしていませんでした。

【M&Aコンサルタントから歯科コンサルタントへの転身】

浦濱が大学に入学した2000年にはITバブルが崩壊、2001年には米同時多発テロが発生するなど経済は、急速に後退局面に入っていきました。

学生の就職は、非常に厳しい"就職氷河期"へと突入。幼少期の逆境とオーバーラップするような理不尽な時代の流れを目の当たりにし、「自分の意思とは関係なく時代に翻弄されてしまう人生は嫌だ。

国や組織に依存せず、自らの力で独立独歩の人生を歩みたい」という思いが一層強くなりました。

一方、お世話になった社長たちも急激に業績が悪化。中小企業の経営支援に関心を強め、当時「中小企業 No.1コンサル」を標榜し、現在では日本最大級の独立系コンサルティングファームに成長している山田コンサルティンググループに新卒で入社。

多くの企業再生に従事し、やりがいを感じる日々。

一方、この先に自分が思い描いた未来があるのだろうかと自問自答する日々を過ごしていました。

転機と意外な転職先

このまま忙しい日常に流されて人生の時間を費やしていくということに危機感を抱き、次のキャリアが決まっていないにも関わらず退職を決意してしまいます。

将来への展望が定まらないまま、ガソリンスタンドのアルバイト店員として生計を立てるなかで偶然、医療関係者が多く来店する店舗だったことから、医療業界、とりわけ歯科業界では職人気質で患者と真摯に向き合っている院長先生ほど経営難に陥っているということを知ります。

そこで、幼少期に父親から毎日のように言われていた「医者ほど素晴らしい仕事はない」という言葉がよみがえってきました。

M&A手法を駆使した企業再生業務を通じて、税務会計から経営戦略まで実践してきたことが人の命や人生を救う医者のために活かせるなら、もう一度、組織に所属してみてもいいのではないかと考えるようになり、歯科コンサルタントへの転身を決意します。

【渡辺との再会と起業への道のり】

就職先を探していたところ、当時、歯科コンサルティングという分野が未成熟だったこともあり、家族3人で運営している小さな歯科医院専門のコンサル会社に転職しました。

年商わずか2000万円という小さな会社でしたが、浦濱が入社したことによって、わずか1年という短い期間で会社の年商を数億円規模へと成長させ、若干25歳という若さで最年少取締役に就任しました。

一方、歯科医院の現場で働くうちに、歯科業界を取り巻く様々な問題を目の当たりにします。

当時、社会問題となっていたのは、ITリテラシーの乏しい院長先生をターゲットにした「リース詐欺」が横行していることでした。

「ホームページを使った集患サービスを導入すれば、売上が大きく伸びる」という甘い言葉で数百万円のリース契約を結ばされますが、実際には、成果につながるサービスは提供されず、営業担当者とは連絡も取れなくなり、残されたのは、金融機関から毎月引き落とされ続ける高額なリース代だけ。

10年振りの再会

コンサルティング先のクライアントである院長先生から相談を持ち掛けられる中、法律相談できる法律家を探していたところ、なんと10年前に夢を語り明かした渡辺が東京で司法書士として活動していることを知ります。

10年ぶりに再会すると、以前とは変わらぬ互いの想いに意気投合。歯科業界の抱える課題解決に力を貸してほしいと伝えたところ、渡辺は司法書士を辞め、ともに会社設立に参画することを決意してくれました。

こうして2010年、株式会社キンダーガーデンを設立しました。

【最大の試練から生まれたポータルサイト「WE SMILE」】

順調に成長を続ける中、2020年に日本最大級の医療法人から数億円規模の矯正集患プラットフォームの開発を受注。大規模システムだった為、自社だけではなく複数のパートナー企 業とともに1年がかりで開発を進め、無事に納品。

しかし、納品からわずか3日後、医療法人の代表者である理事長から連絡があり、「システムがいらなくなったから費用も支払わない。

既に支払っている一部の前払い金についても返金してほしい」と突然の連絡が入りました。複数のパートナー企業に対する数億円の支払い期限は1ヶ月後に迫っていました。

訴訟提起するにしても結論がでるまでには何年もかかる、そしてパートナー企業への支払いが滞ることは多大な損失と当社への信頼失墜による「倒産」という最悪の結末が浦濱の頭をよぎりました。

どうすればよいか判断がつかないまま考えあぐねていると、発注元である日本最大級の医療法人が民事再生法を適用し倒産したという一報が入ってきました。

浦濱は気持ちを切り替え「なんとしても会社と働くメンバーを守り、パートナー企業にも絶対に迷惑をかけない」という決意のもと、数億円の費用を肩代わりする決意をします。

また、開発したシステムを無駄にしない為に、自社サービスとして運用できないかを考え始めます。

【歯科業界の未来を変える「WE SMILE」とは】

こうした中、歯科業界では、「前歯だけ!通院不要!」を謳った低価格マウスピース矯正による相次ぐ健康被害が大きな問題になっていました。

公益社団法人日本矯正歯科学会では、「歯科医学的にも非常に危険であるため絶対に避けてください」と注意喚起 ※を行っている粗悪なマウスピース矯正装置にも関わらず、一部の営利追及のみを目的とした企業のマーケティング活動によって人気を博し、いまだに美しい歯並びに憧れる若年層を中心に大きなトレンドを形成しています。

浦濱は、こうした社会問題を解決するために、数億円かけて開発した矯正集患プラットフォームをポータルサイトとして再構築し、利活用できる道を摸索します。

こうして生まれたのが、「信頼できる矯正医を探すならウィ・スマイル」というキャッチコピーとともに、精度の高い矯正治療のできる歯科医師と矯正希望ユーザーをつなぐポータルサイトです。

WE SMILEの特徴

「WE SMILE」は、1)世界的メーカーの研究開発したマウスピース装置を導入していること 2)継続的にマウスピース矯正の臨床教育をうけているドクターが在籍しているクリニックのみを厳選しています。

加盟クリニックは首都圏、大阪、名古屋を中心に全国へ拡大中。浦濱は、「本当に信頼できる矯正医と患者をつなぐ場所を作る」ことを使命に、日本に安全な矯正治療を広めています。

私たちがこれまでに手掛けてきたすべての事業は、もともとはクライアントの抱える課題や社会問題をきっかけにしたマーケットインの発想で生み出されています。

その為、キンダーガーデンには「ビジネスを通じて社会問題を解決したい」というメンバーが多く参画してくれています。想いを持ったメンバーが集まることで、一人では決して成しえない世界を作り出したいと考えています。

人生は短い。たった一度きりの人生を大切な人たちと一緒に、笑いあり、涙ありの人生を歩んでいきたい。それが私の願いです。

【会社概要】

会社名     : 株式会社キンダーガーデン

本社        : 〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-12-1 西新宿パークウエストビル7階

代表取締役 : 浦濱隼人

事業内容   : 歯科医院専門のマーケティング支援事業 (ウェブサイト制作、ポータルサイトの運営)

URL       : https://www.kindergarten-c.com/

ビジネスeye

WE SMILE(ウィ・スマイル)は、歯科業界向けのマウスピース矯正に特化したポータルサイトです。サービスの狙いとしては、マウスピース矯正を希望する患者と、全国の提携歯科医院をつなぐことにあります。

サービスの特徴
  • マウスピース矯正専門のポータルサイト
    • WE SMILE自体が矯正装置ブランドではなく、患者が自分に合った歯科医院や矯正プランを選ぶための情報提供・予約サイトです。
  • 低価格・明瞭な料金体系
    • 月額1,760円~1,925円(税込)から始められるプランがあり、治療内容や症例に応じて複数のコースが用意されています。
    • 毎月の調整料や保定管理料は無料です。
  • 全国60院以上と提携
    • 2025年4月時点で、北海道から沖縄まで全国60以上の歯科医院と提携しています。
  • ネット・LINEから24時間予約可能
    • 通いやすい歯科医院をサイト上で選び、ネットやLINEで予約できます。
  • 幅広い症例に対応
    • すきっ歯、出っ歯、受け口、八重歯、噛み合わせが深い、前歯が閉じないなど、さまざまな歯並びの悩みに対応しています。
料金とプラン例
プラン回数料金(税込)
1回コース1,650円
4回コース107,800円
8回コース231,000円
12回コース352,000円
18回コース517,000円
24回コース660,000円
難症例別途見積もり
  • 初診料は医院によって異なります。
  • 支払いは現金・クレジットカード・デンタルローン対応。
利用の流れ
  1. サイトで提携歯科医院を検索し、ネットやLINEで予約。
  2. 初診・カウンセリングを受け、治療プランや料金を相談。
  3. 自分に合ったマウスピース矯正を選択し、治療開始。
  4. 通院は2~3か月に1回程度。
メリット・デメリット
メリットデメリット
・低価格で始めやすい・定期的な通院が必要
・調整料・保定管理料が無料・人気で初回予約が取りにくい場合あり
・透明なマウスピースで目立ちにくい・近くに提携医院がない場合は利用困難
・全国60院以上と提携し、通いやすい医院を選べる・マウスピースの納品が遅れる場合あり
・部分矯正など短期間の治療も可能
よくある質問
  • 初診料やカウンセリング料は?
    • 相談料・検査料・診断料がかかりますが、初診料は0円~医院ごとに異なります。
  • どんな症例に対応?
    • 軽度から中等度まで幅広い歯並びの悩みに対応。ただし、診断の結果適応外となるケースもあります。
  • キャンセル料は?
    • 当日キャンセルは1,100円、無断キャンセルは3,300円(税込)。

WE SMILEは、マウスピース矯正を検討している方が、安心して自分に合った歯科医院・治療プランを選べるようサポートする、歯科業界向けのポータルサイトです。

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