次世代農業ベンチャーの株式会社BGは、持続可能性が危ぶまれる日本の農業、ひいては食そのものの未来を守るため、“土”を起点とした新しい食と農の運動「Next Green Revolution」(ネクストグリーンレボリューション)を始動することを発表しました。

7月10日(木)、その理念と根幹となる2つの事業についてメディア発表会が行われ、実際に小売店でテスト販売しているという野菜の試食体験会も実施されました。

“土”を起点とした2つの事業で次世代の野菜をつくる

「Next Green Revolution」は、つくり手と食べ手をつなぐ、まったく新しいフードシステムを構築することで、現行の農業を⼈にも地球にもよりよい次世代の農業へシフトさせることを目的とした一大プロジェクトです。

株式会社BGは、土壌劣化や気候変動による農業生産の不安定化や、食べ手が情報不足のまま野菜を選ばざるを得ず、その結果、生産者が正当に評価されにくいという日本の農業が抱える構造的な課題や分断を解決する鍵が“土”にあることを、数年にわたるリサーチと研究で再発見しました。

そして前述の「Next Green Revolution」の実現を支え、農家、生活者、企業などさまざまな⼈が活用できる“土”を起点とした2つの事業として、自然の生態系に近い土壌から生まれる“おいしい理由”が見える野菜ブランド「Next Green Vegetables」(日本初)と、“おいしく育つ土”をつくるワンストップソリューション「Next Green Method」を開発したのです。

“おいしい理由”が可視化された「Next Green Vegetables」

まず「Next Green Vegetables」は、自然界の多様な生態系に近い“いい土“で育ったという、“おいしい理由”が可視化されたおいしく健康な野菜ブランドのことで、日本で初めての取り組みとなります。

すなわち、土が健康的だから野菜も健康的であり、“土を選ぶこと”が野菜を選ぶという新たな価値観を育み、“土”にこだわるおいしい野菜を、次の時代のスタンダードへと変えていくことになると、株式会社BGは説明します。

これは、国立研究開発法⼈産業技術総合研究所(産総研)とともに開発した環境影響評価スキームを活用した、土壌の価値を可視化する仕組み「Agri LCA+」がポイント。

これにより評価・選定された全国のおいしい理由が見える野菜を、誰もが手に届く価格で、小売店、社食、給食など、さまざまな日常へと届けることを目的としています。

さらに後述の「Next Green Method」によってつくられる“いい土”から育ち、「Agri LCA+」の基準をクリアした野菜が、順次ラインナップに加わる予定でもあります。

「Next Green Vegetables」は、クイーンズ伊勢丹や東急ストアでのポップアップ販売を経て、2025年秋に正式にローンチ。都内を中心に全国の小売店での展開を拡大していくとのことです。

“つくる革命”「Next Green Method」

そしてもうひとつの柱が「Next Green Method」。

これは、おいしく育つ土をつくる「Soil Solution 」、その土壌の価値を可視化する「Agri LCA+」、さらに、その好影響を価値に変換し、農家に経済的リターンとして還元することで土づくりを資金的に支える「Next Green Credit」。この3つのソリューションをワンストップで提供する仕組みが、「Next Green Method」となります。

前述の“土から健康な農業へ”というビジョンのもと、高収益でリスク耐性が高く、地球環境にとってもいい畑へのシフトを、3年で実現することを株式会社BGは目指すと言います。

このメソッドの社会実装は、日本の農業基地である北海道からスタート。

その後、関東甲信越、九州をはじめ、全国へと展開。そしてメソッドによってつくられる“いい土”で育ち、「Agri LCA+」の基準をクリアした野菜は、前述の「Next Green Vegetables」として適正な価格で販売され、農業経営をより持続的で安定したものへとシフトさせることを目指します。

実際のお味は!? 「Next Green Vegetables」驚きの結果

発表会終了後、実際に小売店でテスト販売している「Next Green Vegetables」の試食会も開催されました。

ポテト、玉ねぎ、アスパラガスが、市販で売っているものと比較できるように調理されて提供されました。

試食会に参加した方々の中には、「『Next Green Vegetables』の玉ねぎのほうがフルーティー」「『Next Green Vegetables』のアスパラガスのほうがとうもろこしのように甘い」と評価した方もおり、いい土で育った野菜の有する野菜本来の味に驚きを隠せない様子でした。

なお、同発表会では「Next Green Revolution」や2つの事業についての説明のほか、事業の共創を通じて「Next Green Revolution」をともに推進するヤンマーホールディングス、東京建物、日鉄興和不動産に加え、実践農家を代表して折笠農場さんも登壇。連携の背景などを解説しました。

この2つの事業を軸に、これからの環境変化に対応した人と地球がともに持続できる未来のフードシステムの構築を、2030年までに目指すそうです。

おいしく健康的な野菜を食べることが、日本全国のサステナブルな農業を応援し、その想いがまた新たなおいしさとなって還ってくるということ。

それはつまり“食べることが、未来を育てる”ということに他なりません。その“おいしい循環”が当たり前社会の実現を目指していく株式会社BGの今後の「Next Green Revolution」に注目したいところです。

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