パソナグループの2025年5月期第2四半期の決算発表がありました。

注目すべきは、業績予想の大幅下方修正があり、当期純利益の予想から一転して、大幅な当期純損失を計上する見込みに転落した点です。

当期純利益の見込みから当期純損失を計上したパソナグループの赤字の理由と今後の業績について考察してみました。

パソナグループの2025年5月期第2四半期と業績予想の大幅下方修正

1. 業績概要

- 売上高: 153,934百万円(前年同期比14.2%減)

- 営業利益: 44百万円(前年同期比98.9%減)

- 経常利益: 189百万円(前年同期比95.3%減)

- 親会社株主に帰属する中間純損失: 3,762百万円(前年同期は145百万円の純利益)

2. セグメント別状況

- HRソリューション: 売上高142,894百万円(前年同期比5.4%減)、営業利益7,871百万円(前年同期比2.9%減)

- グローバルソリューション: 売上高5,463百万円(前年同期比4.4%増)、営業利益131百万円(前年同期比2.5%減)

- ライフソリューション: 売上高4,160百万円(前年同期比9.6%増)、営業利益74百万円(前年同期比214.3%増)

- 地方創生・観光ソリューション: 売上高3,494百万円(前年同期比6.7%増)、営業損失915百万円(前年同期は1,282百万円の損失)

3. 特記事項

- アウトソーシングセグメントの除外により、前年同期比で大幅な減収減益

- 万博出展関連費用として2,571百万円を特別損失に計上

4. 通期業績予想の修正

- 売上高: 320,000百万円(前回予想比3.0%減)

- 営業利益: 1,700百万円(前回予想比66.0%減)

- 経常利益: 2,000百万円(前回予想比60.0%減)

- 親会社株主に帰属する当期純損失: 4,300百万円(前回予想は1,300百万円の純利益)

業績予想の修正

パソナグループの2025年5月期の連結業績予想は以下のように修正されています。

1. 売上高: 320,000百万円(前回予想比3.0%減)

2. 営業利益: 1,700百万円(前回予想比66.0%減)

3. 経常利益: 2,000百万円(前回予想比60.0%減)

4. 親会社株主に帰属する当期純損益: 4,300百万円の損失(前回予想は1,300百万円の純利益)

この修正された業績予想は、前回の予想と比較して大幅な下方修正となっています。

特に注目すべき点は、当期純損益が黒字から赤字に転落する見込みであることです。

これは、会社が直面している経営環境の厳しさを反映していると考えられます。

ビジネスeye

パソナグループの2025年5月期第2四半期決算短信の主要なポイントは以下の通りです。

1. 業績悪化

- 売上高は153,934百万円で前年同期比14.2%減少

- 営業利益は44百万円で前年同期比98.9%の大幅減少

- 親会社株主に帰属する中間純損失は3,762百万円(前年同期は145百万円の純利益)

2. セグメント別状況

- 主力のHRソリューションセグメントが減収減益

- ライフソリューションセグメントは増収増益

- 地方創生・観光ソリューションセグメントは増収だが赤字継続

3. 特別損失の計上

- 万博出展関連費用として2,571百万円を特別損失に計上

4. 通期業績予想の下方修正

- 売上高、利益ともに前回予想を下回る見通し

- 当期純損益は4,300百万円の赤字に転落する見込み

5. アウトソーシングセグメントの除外

- 前年同期比での大幅な減収減益の主因

これらのポイントから、パソナグループが厳しい経営環境に直面していることが伺えます。

BPO事業

パソナのBPOソリューション事業は以下の特徴があります:

1. 売上高と業績:

- 2025年5月期第2四半期の売上高は677億円で、前年同期比8.9%減少しました。

- 大型受託案件のピークアウトや新規受注獲得の遅れにより減収となっています。

2. 事業内容:

- 「X-TECH BPO」サービスを展開しており、拡大傾向にあります。

- 収益改善に向けて粗利率の向上に取り組んでおり、前期比で1.1ポイント改善しています。

3. 今後の見通し:

- 2025年5月期通期の売上高予想は1,410億円に下方修正されました。

- 「X-TECH BPO」の拡大推進と粗利率のさらなる改善を計画しています。

4. 課題と対策:

- 大型受託案件の減少をカバーするため、新規受注獲得の強化が必要です。

- 収益性向上のため、継続的な粗利率改善の取り組みが重要となっています。

パソナのBPO事業は、短期的には減収傾向にありますが、「X-TECH BPO」の拡大や粗利率改善を通じて、中長期的な成長を目指していると言えます。

業績予想の大幅下方修正の要因

パソナが2025年5月期の業績予想を大幅に下方修正した主な理由は以下の通りです:

1. 特別損失の計上:

大阪・関西万博へのパビリオン出展に伴い、万博出展関連費用として約26億円を特別損失として計上したことが大きな要因です。

2. 主要事業の不振:

- BPOソリューションセグメントで大型受託案件がピークアウトし、新規受注獲得の遅れがあったため、売上高が期初予想を下回っています。

- エキスパートソリューション(人材派遣)セグメントも期初想定を下回って推移しています。

3. 地方創生・観光ソリューションの苦戦:

台風等の天候影響により、売上高・営業利益が期初想定を下回っています。

4. 費用増加:

人件費やDXを推進するIT関連費用が増加しており、また大阪・梅田へのオフィス移転に伴う二重家賃が一部発生しています。

これらの要因により、パソナは売上高を330,000百万円から320,000百万円へ、営業利益を5,000百万円から1,700百万円へ、親会社株主に帰属する当期純利益を1,300百万円から△4,300百万円へと大幅に下方修正しました。

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